バティック作り体験が可能なテキスタイル博物館へ取材同行しました
インドネシアのろうけつ染め「バティック」見学
インドネシアのバティック作りを見学したいけど、時間がなくて、バティック工場などへ行く暇がないという方に朗報です。ジャカルタの穴場的存在であるテキスタイル博物館は、中心街から近いタナー・アバン地区にあります。地方のバティック工場へ行くことなく、バティック作りの工程を見ることができます。
ジャカルタの街中でバティック体験ができる
インドネシアのバティック作りを見学したり、体験するには本場のジャワ地方へ出掛けるのが一番良いのですが、ジャカルタのテキスタイル博物館でもひと通りのバティック行程を体験することができます。入場料を支払い博物館に入り、右手の奥に入っていくと、バティックが体験できる建物があり、係の人に申し出て、体験料も支払えばOKです。入場料も体験料も日本円にすれば数百円といったところです。
私は日本からやって来たお客様の取材の通訳として同行しました。お客様はバティック体験はご希望されなかったのですが、工程をぜひ見たいということでしたので、バティック工房の方に行程を実演していただくようにお願いをしました。本来はそのようなことはやっていないとのことでしたが、融通をきかせていただき助かりました。
できあがったハンカチ大のバティックに拍手!
バティック作りを実演して下さった女性はジャワ地方出身の方で、説明を交えながら手際よく実演していただきました。既にデザイン画が描かれた小さな布地のデザインの線に合わせ、暖めたロウを描き込んでいくスピードは素晴らしく、描き終わると染料液の中に布地を入れたかと思うと、今度はお湯が沸騰している鍋の中で煮て、ロウを落とします。1時間もしないうちにバティックができあがり、成果物をロープに洗濯物のように干したところで実演は終了。お客様の拍手喝采となりました。
自宅でバティック作りをしたい方は道具も購入可能
こちらの工房の近くにはショップがあり、様々なバティックの布地や小物だけでなく、バティック作りに使用される道具類も販売されています。道具と言っても、ロウを暖める器、ロウを入れて描くもの、染料、ロウを揃えればよく、思ったより嵩張らず安価です。この日はお客様のひとりが、お子様と一緒に家で体験してみたいと道具を購入されていました。
完成品としてのバティックは高価な物になると3~6か月といった期間を要するのだそうです。手書きのバティックが高価なのは、それだけの製作期間の手間ゆえでもあります。
特にジャワ地方におけるバティックはその描かれた模様により、用途も色々と決まっているのだそうです。結婚式における新郎新婦、新郎新婦の親などはそれぞれ模様が決まっていて、腰巻として用いる際の身に着け方もそれぞれ様式があるとのことです。また、布地の中には、亡くなった人の上にかけるための模様というものもあり、驚きました。ただし、現代の人々や観光客は、それらの模様の意味を知らないので、身に着け方は何でもありとなっているというお話でした。
布地を選んで縫製のオーダーもできます
この日、お客様の中でバティックの男性用シャツをオーダーされた方がいらっしぃました。インドネシアではバティックの男性用シャツは正装とみなされるので、上等な物をあつらえたいということでした。お値段は3百万ルピア(日本円で25,000円ぐらい)! 次の日にはショップの方が指定の場所に出来上がったシャツを届けに来てくれました。
というわけで、高級バティックシャツをお求めの方には、私どもが斡旋もできるようになりました。
まとめ
テキスタイル博物館の情報は次の通りです。
ジャカルタ・テキスタイル博物館
https://museumtekstiljakarta.com/01_sejarah.php(インドネシア語)
https://museumtekstiljakarta.com/index.php#(英語)
時間や料金についてはこちら
https://museumtekstiljakarta.com/04_layanan.php(インドネシア語)
https://museumtekstiljakarta.com/04_service.php(英語)
Museum Tekstil Jakarta
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