セクハラも対象、インドネシアで人権侵害にあった時の駆け込み先

インドネシアで人権侵害にあったら、どうすればいいのでしょうか。

人権侵害というと分かり難いかもしれませんが、ハラスメントといえば分かりやすいと思います。

ハラスメントとは、嫌がらせや相手を不快にさせる行動のことです。

日本で認識されているハラスメントの種類は数十種類だという説もあるようですが、インドネシアではどうなのでしょうか。

そして、実際にハラスメントにあってしまった時の駆け込み先をご紹介します。

どんなハラスメントがあるの?

法務人権省は各州に地方事務所を配置しています。

法務人権省は各州に地方事務所を配置しています。

インドネシアで筆者がよく聞くハラスメントには、次のものがあります。

  • 性別
  • 宗教
  • 民族、人種

日本と比べると、あまり沢山は認識されていないのが現状です。

しかし、上記3つのハラスメントはニュースで取り上げられることも多いです。

インドネシア人はこれらに対して敏感であると言っていいでしょう。

性別ハラスメント

別名セクハラ(セクシュアルハラスメント)は、インドネシアにおいても、もっともよく耳にするハラスメントです。

日本人は異性の身体を気軽にポンと叩いたり、タッチすることが多いようなので、気を付けましょう。

異性と話をする時の距離にも気を配れば完璧です。

1メートルぐらいは離れていた方がいいかもしれません。

話に熱中すると、ついつい話し相手のほうに近づいてしまう方はいらっしゃらないでしょうか?

セクハラではないかもしれませんが、子どもや同性の人に対しても、お尻や腰を触ったり、頭や額を小突くことは、インドネシアではもっとも嫌われる行為になります。

また、同性嗜好は子どもに対する犯罪に繋がりやすいとみなされ、インドネシアでは大変に警戒されています。

子どもや同性の人の身体に、必要以上に触れないように気を付けてください。

ただし、同性同士がハグして、あいさつすることはあり、親しみの証となります。

宗教ハラスメント

日本では宗教について、意識することが少ないため、インドネシアでも同じような気持ちでいると失敗することがあります。

モスクから聞こえる音声がうるさい、教会に集まる人の路上駐車が邪魔だ、静寂日に家にこもるのはバカバカしい、などといったことは口にしないようにしましょう。

ただし、宗教のことをまったく口にしないのは、かえって失礼になる時もあります。

それは無視されていることに繋がるためです。

知らないふりをするよりも、必要な時には、相手の要望や考え方を聞いてあげる方がいいのです。

聞かれた人はその人の宗教を尊重されたと感じるので、インドネシア人同士はほどほどにお互いの宗教について言及しているものです。

なお、インドネシアには、無宗教者ハラスメントと言ってもよさそうな現象があります。

政府が主導してきたこともあり、無宗教者⇒社会主義者⇒危険という構図になっています。

知らず知らずのうちに軽蔑のまなざしで見られてしまいます。

民族・人種ハラスメント

縄張り意識が強いところもあるインドネシアでは、往々にして、民族同士の争いも起こります。

言語的特徴、身体的特徴、習慣的特徴などをなじるといったことがあるようです。

大人社会の縮図が、子どもたちの間にも見られることがあります。

子どもたちの間では、ある特定の子どもを呼ぶ時には、名前を呼ぶのではなく、民族の名称で呼ぶといったことが普通に行われていたようです。

ハラスメントの認識が形成されつつある現代では、こういった傾向はじょじょにすたれているようです。

ハラスメントではありませんが、私たちのような外国人は、陰で「日本」と呼ばれている可能性があります。

しかし、それだけのことで、特に悪気があってのことではないので、気にする必要はありません。

同じように、中華系の人は、陰で「中国」と呼ばれていたり、アラブ系の人は「アラブ」と呼ばれていたりします。

これらの現象は、ある特徴をなじられているのではなく、事実が言語化されているだけなので、多くの場合、気にする必要はありません。

人権侵害された時の駆け込み先

地方事務所に来たら、まずは受け付け表に記入します。

地方事務所に来たら、まずは受け付け表に記入します。

インドネシア共和国法務人権省が国内の各州ごとなどに、地方事務所を設けています。

担当者に話を聞いてもらいながら、フォーマットに個人情報を記入します。

担当者に話を聞いてもらいながら、フォーマットに個人情報を記入します。

当該州地方事務所には大衆コミュニケーションサービスという部門があります。

同サービス部門にいる人権問題分析担当者が、人権問題の駆け込み先となります。

相談者の個人情報は求められますが、秘密は守ってもらえます。

同省が人権問題に関係する各省に働きかけることで、関係各省が秘密を守ったまま、現場への検証をしてくれます。

そうすることで、裁判沙汰になることなく、平和裏に解決することが多いようです。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

法は人を縛るためではなく、人を守るためにあるものです。

ハラスメントなどの人権問題を引き起こさないように、私たちは気をつけるとともに、もし、被害者になってしまったら、泣き寝入りをしないで解決方法を探さなければなりません。

インドネシアに滞在している間は、インドネシアの法があなた自身の身の上にも施行されているのです。

困った時には参考にしていただければ幸いです。

 

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