ジャカルタ「ムスリム大集会」人数ウソ報道を暴いた携帯電話の数

2018年12月2日、ジャカルタの独立記念塔周辺で行われたムスリム大集会「212同窓会」

「212同窓会」実行委員会によって開催されました。

ジャカルタだけでなく、インドネシア各地からムスリムが集まったのですが、その人数については700万人、800万人、1100万人などと色々な意見があります。

数千人や10万人であるといった、感覚的にも嘘だと分かるような人数を報じるメディアもあり、話題になっています。

いったい、何が起こり、なぜ、このように情報が錯乱した状態になっているのでしょうか。

以下、見ていきましょう。

どんな集会なの?

 

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2016年12月2日、ジャカルタの独立記念塔を中心に、アホック前ジャカルタ州知事の宗教冒涜発言に対する制裁を求める大規模集会がありました。

1年後の2017年12月2日、1年前の集会を記念して、再び「212同窓会」が行われました。

そして、筆者がこれを書いている現在から4日前、2018年12月12月2日、2年前、1年前の集会を記念する「212同窓会」が行われました。

だれが主催したの?

ジャカルタの独立記念塔に集合。礼拝も路上で。トイレや食事は会社のビルや有志などが提供してくれたそうです。

ジャカルタの独立記念塔に集合。礼拝も路上で。トイレや食事は会社のビルや有志などが提供してくれたそうです。

イスラム擁護戦線というイスラーム団体と、その他、全国のイスラーム団体によって結成された「実行委員会」の主催になります。

イスラム擁護戦線は、政府に反発するイスラーム団体のように言われることが多いですが、もともと政府の後ろ盾で結成された歴史を持っています。

同団体の主導で、インドネシア各地のイスラーム団体と協力して「実行委員会」を編成しています。

何の目的なの?

↓警備をする軍人が集会の参加者に対して、礼拝前のお清めの水をかけてあげているところ。

 

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2016年12月2日の時点では、アホック前ジャカルタ州知事の宗教冒涜発言に対する制裁を求めることを主な目的としていたようです。

その他にも、ムスリムが団結し、連帯感を高めるためといった目標もかかげられていたと思います。

単に現政府を非難するだけでなく、各方面との連帯も目的としていたため、2016年にはジョコウィ大統領も招待され、出席しました。

2017年12月2日の時点では、アホック前大統領の件はすでに制裁が下されていたのですが、大量の中国人の違法入国を擁護し、イスラーム勢力を排除しようとする兆候が政府にあるのではないかと危惧するムスリムの動きが背景になり、記念行事的な「212同窓会」が再び開催されました。

2017年に招待されたジョコウィ大統領は、都合で欠席をしています。

2018年12月2日の集会も、前年の続きとして、記念行事的な「212同窓会」が再び開催されたのです。

2018年にもジョコウィ大統領は招待される予定だったのですが、直前になり委員会の判断で招待を取りやめました。

実際に集まった人数について論議が起こっているワケ

3回に続き行われた集会ですが、筆者が見るイメージでは年々、参加者の数が増えています。

このような動きを放任すれば、賛同者がどんどん増えるのは想像に難くありません。

それを好まない勢力が大手メディアに多いことにより、集まった人数については実際よりも大幅に少ないものが報道されているようです。

 

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在ジャカルタ日本大使館のサイトによる事前の注意喚起では数千人規模の集会が昼頃まであるとなっています。

2016年、2017年の写真を見れば、あまりにも事実とかけ離れている数のようなのです。

世界じゅうで大きなニュースにならないように努力している人々がいるのかもしれません。

事実が伝えられないことに憤慨というか、最初から危惧している人々たちが、色々な論証を用い、出席者の人数を割り出している姿がネット界では見られます。

2018年12月6日(金)のテンポのニュースよると、ソーシャルメディアの活動家イワン・ピリアンさんが次のように伝えています。

「携帯電話のオペレーターセンター会社の従業員が、212同窓会があった時、同地域では携帯電話の数が1340万台だったと言っていました」

まとめ

↓ムスリムの一生に一度の義務「大巡礼」で訪れるサウジアラビアのアルハラームモスクの景色を彷彿させます。一度に500万人以上巡礼できるそうです。

 

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上記のテンポ社はキリスト教系のメディアですが、インドネシアでは大変に力のあるメディアです。

当初は集会の出席者の数をどのように伝えていたかは知らないのですが、だんだんと世間のメディアに対する不信感が募っているところへ、このようなニュースを打ち出したという見方もできるかもしれません。

まだまだ、しばらく論議が続きそうです。

 

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