子供をインドネシアで入学させる時にチェックしたい3つの法的事項

インドネシアでのお仕事に伴って、お子様をインドネシアの学校へ入学させたいと考えておられる方。

すでに、お子様がインドネシアの学校へ通学されている方。

外国人がインドネシアの学校に入る際、気をつけておきたい法的事項があります。

異国での学校生活には不安がつきものですよね。

ジャカルタでは数年前にあるインターナショナルスクールで子供にとって好ましくないことが起こり、話題になったこともありました。

何かが起こった時では遅いので、事前に学校を法的角度から把握しておくことをお勧めします。

確認しておきたい法的事項は次の3つです。

1.学校の法人形態

学校の施設‘設備も大事ですが、法人形態をまず確かめましょう。

学校の施設‘設備も大事ですが、法人形態をまず確かめましょう。

インドネシアでは、国立学校の他は、全て私立という扱いになるようです。

私立学校は様々な法人形態が許されていますが、多くの場合、営利を目的としない法人であるヤヤサン(Yayasan)と呼ばれるものであることがほとんどです。

まずは、目星の学校がヤヤサンであるかどうかを確認しておきましょう。

ヤヤサンであることが分かったら、インドネシア法務人権省によるhttps://ahu.go.id/pencarian/profil-yayasanの検索サイトの検索窓にヤヤサン名を入力して、検索します。

検索結果が出てこれば、ちゃんと登録されているので大丈夫です。

以下は学校の法人形態がヤヤサンであった場合のお話になります。

2.ヤヤサンを構成する3要素

大切な子供を預ける学校ついて、できるだけ調べてみたいですね。

大切な子供を預ける学校について、できるだけ調べてみたいですね。

ヤヤサンを構成する3つの要素とは以下になります。

  1. 監督者・委員会(Pembina)ヤヤサン組織の中で最も高い権限を持ちます。
  2. 監査者・委員会(Pengawas)組織がちゃんと機能しているか監査を入れます。
  3. 運営者・委員会(Pengurus)実際の運営を行います。

「財団(Yayasan)に関する憲法2001年第16号」、および「財団(Yayasan)に関する憲法2001年第16号の改正に関する憲法2004年第28号」では上の3つが財団の条件となっています。

ここで「~者・委員会」と訳語を当てはめていますが、言語はインドネシア語なので、私が訳した日本語の訳語が必ずしも、その性質をピッタリと言い当てているとは限りません。

しかし、便宜上、日本語の訳語を使って説明します。

1の監督者・委員会は一番の権限を持つので核心ともいえる部分です。その人たちがどのような人であるかを見れば、その学校の特質・ミッションが自ずと分かってくると思います。

学校側がこれらの3要素をきちんと提示しているならば安心です。

もし、3要素に関する説明が得られない場合は、これらの要素がきちんと機能していない可能性があります。

3要素が正しく機能していれば、学校が健全に運営されている可能性が強いと思います。

3要素が確認できない場合は、法務人権省によるhttps://ahu.go.id/pencarian/profil-yayasanのサイトでヤヤサン名を入力して、資料を取り寄せることもできます。

資料の取り寄せ希望者の個人データと少しのお金が必要になってきますが、全ての人に対して開示されている情報です。

私たちはこのような情報を得る権利があります。

しかし、ある学校へ入学する前に、ここまで確認作業を必要とするケースは少ないかもしれません。通常は正しい説明を供しない学校は嫌煙されてしまうものですよね。

もし、既にその学校に入学した後であり、3要素の確認が難しい状態であれば、資料を取り寄せてみてもいいかもしれません。

3.インドネシア教育文化省の教育基礎データに登録しているか

インドネシアにも日本の文科省承認の日本人学校がありヤヤサン形態で運営されています。

インドネシアにも日本の文科省承認の日本人学校がありヤヤサン形態で運営されています。

インドネシアにおける全ての学校は、学校のデータベースである教育基礎データ(Data Pokok Pendidikan=DAPODIK)の届出を毎年、インドネシア教育文化省基礎教育総局長(Direktur Direktorat Jenderal Pendidikan Dasar₌Dirjen Dikdas)に提出する必要があります 。

教育基礎データに登録がない学校からは、原則として国立学校へは進学することができません。

現在、インドネシアでは国際校という位置づけがなくなっているようですが、外国人の子弟が通う外交団学校(sekolah diplomatik)という位置づけの学校はあります。

外交団学校を卒業した子供たちは、もちろん、インドネシアの国立学校へは殆ど進学しません。

外交団学校はカリキュラムをインドネシア側に調整されることはなく、インドネシアの国立校に進学する子供はほぼいないので、教育基礎データへの登録の必要性を迫られることがありません。

そのため、教育基礎データに登録しない外交団学校があるようです。

教育基礎データへの登録がなければ、インドネシア教育文化省による監視は入りません。カリキュラム以外の一般事項について、インドネシア側による監視がないことを意味します。

学校がまるで治外法権地帯のような状態になるのではないかと、私だったら心配になります。

教育基礎データDAPODIKに登録されている学校であれば、定期的に教育文化省サイドから監視が入りますので、その点では安心だと言うことができると思います。

まとめ

少し、難しい話になってしまいましたが、学校は子供を預ける大切な場所です。

日本における公立学校や、厳しい条件を求められる私立学校に慣れてしまっている私たちは、学校をシビアに見る習慣がなくなっていると言うこともできると思います。

  1. 学校の法人形態
  2. ヤヤサンを構成する3要素
  3. インドネシア教育文化省の教育基礎データに登録しているか

お子様の通われる学校に関する、上記の法的事項をぜひ確認してみて下さいね。

 

 

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