バリ島の住所にある2種類の集落「バンジャル」って何?
インドネシアで外国人観光客が最も多いバリ州=バリ島。
観光で訪れてから気に入って、何度もリピートしている方も多いのではないでしょうか。
バリ州の住所で出てくるバンジャル(Banjar)は一種の集落なのですが、他の地方にはない特殊な言い方なので、一体何なのだろうと思われる方もいらっしゃるようです。
実はバンジャルには2つの種類があります。
こちらhttps://andrepradnya.blogspot.com/2017/05/perbedaan-banjar-adat-dan-banjar-dinas.html?fbclid=IwAR0XUaX_6dJdvhG82_2qIp7n-GpBXFstUWowTizmdLqIKuUY1HNQoxSihNMのブロガーさんのサイトで詳しく書かれていましたので、ご紹介しますね。
そもそもバンジャルって何?
バンジャル(Banjar)とは、インドネシアのバリ州における行政地域の名称です。
町に相当するケルラハン(Kelurahan)、または村に相当するデサ(Desa)をさらに細分化したバンジャルはバリ州特有の言い方です。
他のインドネシア全域にあるRW(Rukun Warga:町内会)と同等のものになります。
昔、バリの人々が生活の糧の全てを稲作などの農業に依存していたころ、バンジャルは、その構成員である住民たちが、田に水を引くことを調整する機能しか持っていませんでした。
昔からバリでは、田に入れる水の奪い合いなどが起こらないように、平和的に水を分かち合っていたのですね。
社会の発展に伴いバンジャルは、インドネシア共和国の住民登録証(KTP)、暫定的住民証(Kipem:Kartu Identitas Penduduk Musiman) の作成や、伝統祭事を行うためなどの機能を持つようになりました。
伝統集落のバンジャルと行政集落のバンジャル
伝統集落のバンジャル
伝統集落(Banjar Adat)は、バリにおける伝統村(⇔行政村)の中にある社会組織です。
伝統村が成立する条件のひとつとして、伝統村の中にいくつかの伝統集落のバンジャルがなければなりません。
伝統集落は、それが属する伝統村の「トリ・ヒタ・カラナ(幸福に必要な3要素の調和を説くバリの哲学)」を結束するものなのだそうです。
伝統集落は、それが属する伝統村にある寺院での神事、結婚式、葬式など、ヒンズー教の伝統的な行事のために機能します。
伝統集落の構成員は、その地域の生まれながらの住民です。
伝統集落には次のような特徴があります。
- ヒンズー教である
- 慶事(お祝い)と弔事(おくやみ)など社会的行事を行う
- 慣習法に従う
- 伝統的リーダー(慣習リーダー)が指揮する
- 自治を行う
行政集落のバンジャル
バリの伝統村の中にあったり、なかったりする社会組織が行政集落(Banjar Dinas)です。
行政集落は必ずしも必要ないとうことなので、不思議な感じがしますね。
行政集落は政府の業務、行政地域の指定、住民登録証(KTP)や住居地に関することなど、政府関係の業務のために必要です。
実は、行政集落の構成員は、伝統村の出身ではない人々なのだそうです。
出稼ぎにやって来た人など、他所からの転入者がこれにあたります。
行政集落には次のような特徴があります。
- 異種混合のメンバーである
- 社会的活動は政府の方針による
- 政府の法規定に従う
- 政府役人に従う
まとめ
他の州にはない、バリ州の集落の仕組みに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
つまり、次のような構図になると思います。
伝統集落(Banjar Adat)⇒その地に生まれ育った人々による集落
行政集落(Banjar Dinas)⇒転入者による集落
行政集落は集落と言うより、構成員の集合体ですね。
伝統集落に転入者がやって来た段階で、行政集落が必要になるという感じかもしれません。
他所から嫁いだ人がどうなっているかなどは、私には分かりませんが、とても独特ですね。
清水純子へのお問い合わせはこちらから。