4つの仮説を検証。インドネシアがマレーシアに嫉妬する理由
インドネシアの隣国であるマレーシア。
文化的にも人種的にも共通点が多いです。
マレーシアで働いたり、留学している人も多いです。
そんな、マレーシアなのですが、なぜかインドネシアではあまり良い話が聞けません。
一体、どうして、インドネシアではマレーシアに関する良い話が聞けないのでしょうか。
どうしてインドネシア人はマレーシアが「嫌い」なの?Mengapa Orang Indonesia ‘Benci’ Malaysia? という記事を見つけました。
以下、この記事を参考にしながら、ご紹介していきますね。
全てのインドネシア人がマレーシアを嫌いではない
この問題に関しては調査もなければ、研究もありません。
でも、ニュースやソーシャルメディアなどから、そのような「現象」がはっきりと感じられます。
私もインドネシアに住む前は分かりませんでしたが、こちらに住むようになってから、はっきりと感じるようになりました。
ナイーブな問題なので、なかなかこんなことは書く人がいないと思います。
例えばインドネシア人はタイやシンガポールに対しては、これといって何も感じていないと思うんですが、マレーシアだけには負けるものか~という雰囲気が感じられることがあります。
例えばインドネシアのサッカーの選手が次のような発言をしたことがあったそうです。
「マレーシアと対戦するのは、サッカーだけの問題じゃない。国民の誇りをかけているんです。」
何か変ですよね? 他国と対戦する時は国民の誇りをかけない、っていうことになりますよね。
そして、マレーシアのチームに入っているインドネシア人選手は、まるで非国民のように思われてしまうそうです。
変ですよね?
嫌いにさせている要因は?
以下、嫌いな理由に4つの仮説を立てます。
【仮説1】マレー語同士なのに微妙な違いがあるから?
インドネシアとマレーシアは非常に似た言語を使用しています。
そのため、自国の言語のままでコミュニケーションが可能になっています。
でも、インドネシア語とマレーシア語の間には相違もあります。
別に普通に話しているだけなのに、こんな単語をこんなシチュエーションの時に使うのか・・・けしからん!!
というようなことが度々起こります。単語のニュアンスに微妙なズレがあるのですね。
このようなことは他国との間では起こりません。
インドネシア人がタイやシンガポールに行った時には、コミュニケーションが難しくても喧嘩にはならないです。
実は、カリマンタン島の北の方に位置する小国、ブルネイもマレー族が住み、マレーシア語やインドネシア語に似たブルネイ語を使っています。
不思議なことにインドネシア人とブルネイ人の間では、喧嘩になったという話はありません。
ブルネイはインドネシア人にとって尊敬すべき国で、ちょっと気持ち的には距離がある感じです。
言語の微妙なズレが「嫌い」の絶対要因ではないということになりますね。
では何が要因なのでしょう。
【仮説2】お隣だから?
ブルネイだってお隣ですよね。
国境が陸にあるか海にあるかで考察すると・・・
- マレーシア(海と陸)
- シンガポール(陸)
- パプアニューギニア(海と陸)
やはり、国境が海とか陸とかも関係なさそうです。
インドネシアから独立した東ティモールなどに対しては、好きも嫌いもなく無関心という感じです。
国境ということであれば、インドネシアとマレーシアは、シパダン島・リギタン島の領土問題がありました。
国際司法裁判によってマレーシアが勝訴しています。
このこともマレーシア「嫌い」の要因に仕立ててはいけなさそうです。
シパダン島・リギタン島の領土問題では、インドネシア政府の管理が行き届いていなかったと言う人もあるようです。
【仮説3】マレーシアがインドネシアより経済発展し、成功しているから?
マレーシアの国家収入はインドネシアの3倍という話もあります。
昔はインドネシアの方が経済部門でも、教育部門などでも進んでいたという話は、私も聞いたことがあります。
今では、世界大学ランキングTHE(https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings)でも、マレーシアの大学は59位に登場。インドネシアの大学は201~250位に登場(いずれも2017年)しているのだそうです。
マレーシアのほうが発展していることで、嫉妬の念を抱くという要因はあるのかもしれません。
【仮説4】マレーシア国内にインドネシア人労働者がいるから?
インドネシ労働者が出稼ぎ国としてマレーシアを選ぶことは多いです。
シンガポールなどと比べ、言葉も近いですし、文化や宗教にも共通点があるからです。
インドネシア人労働者とマレーシア人雇用者との間で、問題が起こることも少なくないようです。
インドネシア人労働者と言えば、サウジアラビアにも多く、インドネシア人労働者がサウジアラビアで死刑になってしまった例も幾つかあります。
それでも、インドネシア人がサウジアラビアを嫌うという話は聞きません。
ブルネイにもインドネシア人労働者はいます。インドネシアより発展していて、人種も同じブルネイ人ですが、インドネシア人は嫌いません。
マレーシアがインドネシアの文化を「盗む」からでしょうか?
マレーシアもインドネシアも文化は似ているので、「盗む」と言っていいのか微妙です。
マレーシア人には多くのインドネシア人の子孫がいるので尚更です。
インドネシアのミナンカバウ民族が移り住んだ、マレーシアのヌグリ・スンビランは名を知られています。
要因を特定するのは難しい
結局、要因はひつに絞ることは難しいですし、ひとつではないかもしれません。
「できの良いきょうだい」だからこその嫉妬というのが一番の要因かもしれません。
私たちだって、同じように育ってきた自分の弟や妹に、できのいい子がいたら嫉妬するのではないでしょうか。
こういう嫉妬の感情はもちろん、いいことではありません。
もし、マレーシアのほうが発展しているというならば、そこから学ぶ姿勢でないといけないのではないでしょうか。
さいごに
いかがだったでしょうか。
あまり表沙汰になることはない問題を取り扱ってみました。
このようなネガティブな情報には惑わされないようにしたいですね。
私は日本でよくインドネシア人が集まるような所へ行きますが、マレーシア人がよく一緒にその中に入っていたりします。
他国の人がいたとしても、マレーシアの人たちはインドネシア人の近くにいることが多いです。
やはり身近な仲間という認識なのでしょうね。
マレーシアの人に私がインドネシア語を使うと最初は良くても、段々と通じなくなってきます。仕舞いには英語になったり、日本語になったりすることもあります。
何で同じような顔をしているのに、インドネシア語が通じないの~と思ってしまうこともあります。
とにもかくにも、インドネシア人もマレーシア人も大らかです!!
清水純子へのお問い合わせはこちらから。