3割はムスリム、日本へ観光に来るインドネシア人ってどんな人?

ママ友から日本へ行くよと連絡がありました

インドネシア人訪日客数は年間40万人を突破する勢いだそうです。

先日、私のWhatsAppにも、子どもが以前通っていた学校のママ友から「元気~? 日本語を教えてよ。11月に日本へ旅行に行くの~」という連絡が入ってきました。

そのママの旦那さんは政府付け裁判官をやっておられます。子どもがロボティクスクラブの選手権に出場した時、彼女のお子さんも出場していたことから連絡先を交換しました。

選手権の時は、学校の先生が子どもを引率してくれるのですが、親御さんもよかったら来てくださいと言われていました。

私は案の定、色々やることがあって、とても一日中子どもに付き添うことはできませんでしたが、彼女はご自分で車を運転し会場にやって来られ、早朝から夜遅くまで付きっきりでお子さんを見守っておられました。

彼女は私よりも多分年上なのですが、毎週、近所のプールで水泳をしているから一緒にどお?とか、お子さんがバリ舞踊やっているので一緒にどお?などと私が誘われたことからも分かるように、悠々自適な?生活を送られているようです。

彼女とご家族の宗教はイスラームです。

さて、イスラム教徒って、日本が好きなんでしょうか?

 

インドネシア人って日本が好きなの?

日本と言えば桜です。

日本と言えば桜です。

確かにインドネシアでは、日本へのお手頃な観光ツアーの広告を最近よく見かけます。

インドネシア人って、日本が好きなのでしょうか?

インドネシアの中流階級が増えてきたことやLCCの台頭で海外旅行が身近になってきていますが、人々は海外の中ではどんな国へ観光に行きたいと思っているのでしょうか。

世界的な注目を浴びている欧米は、やはりインドネシアの人全般にとっても、憧れの地であるようです。観光だけでなく、留学やビジネスの対象としても欧米がやはり人気があります。

しかし、地理的に遠く、物価の高い欧米はお金がかかりすぎるため、オーストラリアなどのオセアニアの英語圏がそれに続く人気を誇っているように見えます。

上述の国々の次ぐらいに人気があるのが日本ではないかと、私は思っています。

インドネシア人の中でも比較的裕福層を占め、海外へもよく行くであろう中華系の方に限っては、上述の定番の人気国の他、中国、台湾などのご自分のルーツをめぐる旅も人気があるようですが、今後大きな可能性を秘めているとされるムスリムの観光者に関して言えば、中華圏よりも韓国や日本のほうが人気があるように思います。

日本企業の数は、自動車、工業製品、電化製品など様々な分野において、インドネシアではダントツと言ってもいいほどですし、日本のアニメが頻繁にテレビ放送されていることから、アニメを通じて日本を好きになったり、日本語を学ぶようになったという人も少なくないようです。

最近は韓国ドラマや韓国製品などの影響で、韓国好きな若者が多くなってきていますが、日本の人気にはまだまだ及びません。

高校では選択教科で日本語を用意しているところが多いですし、大学には日本語学科があり、まちの日本語教室の数が多く、日本語学習者の多いことからも、インドネシア人の日本好きが垣間見られます。

ムスリムといっても色々

日本ではハラール認証メニューを置いているホテルもあります。

日本ではハラール認証メニューを置いているホテルもありますが、食器を非ハラール食と分けることができず、紙皿やプラスチックスプーンで対応していることもあり、評判はイマイチ。

インドネシアのムスリムは、自国においても非ムスリムが少なくないことを自覚しています。

ですので、インドネシア国内であっても、他宗教の人々との付き合いは避けられませんし、食事や礼拝などムスリム特有の配慮が必要な場合もそれなりになんとかなっています。

ですので、非ムスリム圏だという理由だけで、ある国に行かないという選択をする人はそれほど多くはないかもしれません。

中部国際空港内にある礼拝所。

中部国際空港内にある礼拝所。

ムスリムと言っても、どの程度、食事や礼拝、トイレ(水での洗浄が好ましい)などに配慮しているかは色々です。

先にあげた私のママ友のように、女性でも水泳をしたり、子どもに舞踊をやらせる人もいれば、水泳は水着になると体の線があらわになったり、異性の水着姿を見ることになるので、同性専用のプールでしかしない人もいますし、舞踊は宗教的に奨励されていないので全くやらない人もいます。

観光地に関して言えば、仏教寺院など他宗教の場所には全く行かない人もいれば、浅草の浅草寺や日光東照宮などへ何の気兼ねもなく足を踏み入れる人もいます。

ハラールツアーを組む旅行社も多い

 

ハラール認証がある、中部国際空港内のメガケバブ。

ハラール認証がある、中部国際空港内のメガケバブ。

ムスリムと言っても、色々な人がいるのですが、昨今はソーシャルメディアの影響もあるためか、日本ではここに行くとハラール食があって、美味しかったよとか、ここで礼拝ができるよ、といった情報が多くなってきていて、それに同調する人が増えるとともに、それを求める人も増えている気がします。

そのような人々の要求に応えるために、ハラールツアーというのも多くなってきました。

インドネシア人ムスリムがハラール性や礼拝などに配慮したツアーをあらかじめ組んでくれれば、ムスリムは安心してそのツアーに参加することができます。

さいごに

ムスリムの観光客を誘致するために、日本では礼拝所を設けたり、ハラール対応をしたりという動きがあります。

米調査機関ピュー・リサーチ・センター(2015年)によると、この40年間のイスラム教徒の増加率は73%。キリスト教徒やヒンズー教徒の増加率の2倍以上に達し、数十年後には世界人口の2人に1人はムスリムになると予測されているそうです。

実際、この傾向がどうなっていくかは神のみが知ることですが、ムスリム市場の重要性に気が付いた人が成功するのかもしれません。

ともあれ、ムスリムも非ムスリムも人なのですから、対ムスリム戦略がビジネス目的だとしても、基本は人同士が思いやることが原点でなければならないと私は思っています。

 

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