ハラール戦略? インドネシアで大人気のコンビニ
インドネシアの最強コンビニのひとつインドマレット。
二大コンビニのアルファマレットとインドマレットのはどちらもインドネシアのローカル企業です。
その勢いは、いくつか進出している外資系コンビニをはるかにしのいでいるかのようです。
一体、何がその魅力なのでしょうか?
2018年12月31日、西ジャワ州の州都バンドンの列車の基点になっているバンドン駅の中にあるインドマレットを覗いてみました。
店頭には大きなハラールマークが描かれたミスタードーナッツの広告スタンドがありました。
以下、筆者なりにバンドン駅にあるインドマレットの戦略と魅力を考えてみます。
バンドン駅にあるインドマレット
筆者がジャカルタへ向かうお客様をバンドン駅へ送りにいったのは夜の7時半ごろ。
休暇や里帰りを終え、ジャカルタへ向かう列車を待つ人々で、駅はあふれかえっていました。
列車に乗るまでにはまだ時間があります。
そんな時、パッと目についたのがインドマレットでした。
他の店舗に比べ、圧倒的に間口が広く、照明が明るいのが特徴です。
何人かの人が吸い込まれるように店内に入っていきます。
大きなハラールマークの公告
改札口に最も近い立地もさることながら、店頭にある大きなハラールマークに目がいきます。
よく見ると、ミスタードーナッツの公告なのですが、ドーナツの写真があるわけでもありません。
あたかも、インドマレットの売る商品が全てハラールであるような錯覚を起こしてしまいそうです。
広告にはインドネシアウラマー協議会のハラール認証マークが大きく印刷されています。
そして、「ステータスA」の文字も大きく書かれています。
おそらく、ハラール認証の中にもステータスのレベルがあり、そのステータスが最も素晴らしいAであるということなのでしょう。
認証ナンバーも印刷されていますので、何やら、とても信頼できる雰囲気が感じられます。
売られているドーナッツは少ない
そして、中に入り、どこにドーナッツがあるか見てみました。
レジのカウンター上、ちょうどお客さんの目線の位置ぐらいに15~20個ぐらいかと思われるドーナッツが並べられていました。
確かに目立つ位置には置いてあるのですが、コンビニなので、ドーナッツばかり沢山おいてあるわけではありません。
ドーナッツの量に比べると、アンバランスとも言える広告スタンドの大きさだと感じられました。
ミスタードーナッツの広告があるお陰で、ドーナッツは買わなくとも「ここで買い物すればハラールなので大丈夫」という心理に私たちはなってしまいそうです。
おそらく、そういった心理的効果をねらった広告なのだろうなと思いました。
豆から入れている美味しいコーヒー
店内をよく見ると、レジの反対側にコーヒーコーナーがあります。
日本のコンビニほどには香り高くありませんが、本物のコーヒーの匂いがします。
インドネシアでは、カップに粉状コーヒーを直接入れ、お湯を注ぎかき混ぜ、コーヒー粉が沈むのを待ってから上澄みを飲む方式が主流です。
しかし、ここでは西洋風にコーヒーを粗びきし、フィルターを使うのでカップに粉は入りません。
インドマレットの最大のライバルであると思われるアルファマレットでは、まだこのようなサービスは行っておらず、粉状コーヒーかネスカフェのようなインスタントコーヒーを店頭で入れられるようにしているのみです。
ただ、バンドン駅のインドマレットでは、座れる場所はないので、駅構内のイスで座って飲むか、立って飲むことになります。
外資系コンビニとの違い
インドネシアにはセブンイレブン、サークルK、ファミリーマートなどの外資系コンビニもあります。
これらも賑わっていますが、ローカルのインドマレットやアルファマートほどには人が入っていないように見えます。
もちろん、立地や店舗の規模などの要素も影響しているのでしょうが、店舗のレイアウトも影響しているかもしれません。
というのも、インドマレットやアルファマレットは扉を開けて中に入ると、間髪を入れず常にすぐ右手にレジがあります。
入るとすぐに定員さんに会えるという安心感があります。
インドネシアの人は欲しいものがあると、ひとりでごそごそ探すようなことはせず、店員さんに聞くことが多いです。
店員さんもガラス壁の中から、外を直ぐに見渡せるような作りになっています。
そして、大抵、中に入ると、陳列棚は目線と並行して縦列になっているので、店舗内の陳列棚の全部を見渡すことができます。
日本にあるコンビニや、インドネシアにある外資系のコンビニは、レジの位置が左側にあったり、奥の方にあったり、まちまちのような気がします。
そして、陳列棚が目線を遮るように横に並んでいることが多いため、奥の方は見えません。
「見通しが良い」店舗設計になっているのがローカルのコンビニの特徴のひとつであるような気がします。
ただし、これらは筆者の独自の見方なので、実際は違うかもしれません。
さいごに
今回の例のように、ハラールであることが、現代インドネシアにおけるひとつのステイタスだと感じることが多いです。
また、筆者は建築設計をしていたことがあり、特に店舗内の平面的レイアウトや人が通る動線を考える傾向にあります。
日本の人ですと、「ひとりで商品を手に取ってみる」スキを作ってあげないと、お客様はなかなか買い物をしてくれないそうです。
インドネシアでも同じようなことは言えると思います。
ですが、それ以上に、こちらの人は「人に聞く」ことが好きなので、店舗側としては常に話しかけられてもよい店員さんがいることと、開放的であることが重要なのではないかと思いました。
以上、あなたの分野でも参考になれば幸いです。
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