国外から代理店なしでインドネシア向け通販
コンサルティングサービスをご利用いただいた、Infinity Wings BP Thailand Co., Ltd.代表取締役の水野聡子様(お客様の声はこちら)に、2018年12月12日、インタビューをさせていただきました。
水野様は、タイを拠点に、ヨーロッパ製のスキンケア製品をアセアン各国へ販売されています。インドネシアもそのひとつです。
インドネシア向け商品の説明文は短く簡潔にしなければならないお話については、こちらでご紹介させていただいています。
今回は、水野様の制汗剤販売のきっかけ、インドネシアへの販売方法、そして、販売前の準備についてご紹介します。
制汗剤販売のきっかけ
清水:水野さんが制汗剤を売ろうとされたきっかけは何だったのですか?
水野様:事業拡大を考えていたとき、「できる限り固定費をかけない」ということが第一にありました。人にも場所にもあまりお金をかけずに活動したいと思ったのです。実店舗が要らず、ごく少人数で対応できるEC(電子商取引)はかなり理想に近かったので、やってみることにしました。
清水:いわゆる通販ですよね。競合も多いのではないでしょうか?
水野様:その通りです。次に考えたことは、「今までのありふれた商品ではダメで、圧倒的に違うものを扱わなければ」ということでした。
清水:タイ市場向けの通販をしようと考えられたのですか?
水野様:はい。タイはアセアンでも飛びぬけて親日で、日本からの投資も多いのです。タイ現地の日系企業による日用品の生産も多いですし、日本からの輸入品も身の回りにあふれています。「日本製のなになに」では差別化にならないんです。
清水:そうなんですね。それほど、日本のものがあふれているんですね。
水野様:人づてで「日本で成果を出している、ヨーロッパ製のスキンケア製品を扱わないか」というお話がありました。話を聞いてみると、その製品は機能が圧倒的に違っていました。小さくて軽いので、保管場所も運送費もごくわずかで大丈夫でした。日本市場向けに使用した広告等の素材は全部提供していただけたので「あ、これは背中を押されている」と感じ、取り扱うことに決めました。
代理店なしでインドネシアへ販売
清水:グッドなタイミングで良いお話を引き寄せられたのは、水野さんの求める姿勢があったからこそだと思います。ところで、インドネシア向けに販売を考えられたのはなぜでしょうか?
水野様:この事業を始める前から行っていた調査事業では、タイ・インドネシア・ベトナムの3か国を同時に調査するパターンが多かったからです。インドネシアとベトナムの2国は、今後伸びる国として注目されているのだな、と実感していました。
清水:もともと取り組んでおられた調査で得たご経験に基づいていたのですね。
水野様:インドネシアの人口構成やオンラインショッピングに対する潜在性なども調べました。市場としての、よい条件がそろっていると思いました。
清水:インドネシアのお客様の手に届くまでのプロセスは考えられたのですか?
水野様:そうですね。インドネシアに代理店を持つかどうかが課題でした。代理店が、輸入許可取得から始まり、輸入そのものを行い、卸売をするといったことまで、全て対応できるのか分かりません。そして、継続して、ずっと対応してもらえるのかも分かりません。
アセアンでは、現地代理店に任せると、最初の3か月にめぼしい販売成果が出なければ、「これはダメ、売れない」とすぐに放置されるので、こちらの期待にそぐわず結局売れずに終わるというパターンが多いことも調査業務にて認識していました。
こうならないために、人を雇わず、場所も確保せず、自社コントロールで拠点のある国以外へ販売活動を展開するにはどうしたらいいのか手法を探りました。
そんなとき、大手ショッピングモールが提供する「クロスボーダーサービス」というものを知ったことで、事業を肯定的に考えられるようになりました。
クロスボーダーサービスを使えば、拠点はタイ一か所にしたまま、アセアン各国に出店できるのです。精算はオンラインで行います。現地代理店不要で、インドネシアへ販売できると分かり、サイトをインドネシア語へ翻訳することにしました。
販売のために準備したこと
清水:販売のプロセスを独自で整えるのは大変なのですね。水野さんが具体的に準備してきたことは、どんなことなのですか?
水野様:まずは自分自身のITリテラシー(情報機器やネットワークを利用して集めた情報を自分の目的に沿った活用できる能力)の構築でした。インターネットの閲覧者だった私が発信者になるわけなので、ゼロの状態から勉強しました。
清水:クロスボーダーサービスにお任せというわけではないのですね。
水野様:そうですね。オンラインショッピングモールに関する操作は画面を追って出て来る表示と指示に従って行うのですが、それだけではないです。SNSにも展開していかなければいけないし、各SNSによって適切な露出手法も違うので、四苦八苦しながら勉強しました。良心的な料金で教えてくれる人がいて幸運でした。
清水:やると決めたからには、今まで経験のないことでも、授業料を支払って、理解できるまでトコトン勉強するという行動力が半端でないと思います。さすがですね。
水野様:いえいえ。勉強やスキルアップを続けながら、店舗展開をしているという感じです。
まとめ
インドネシア国外にいながらにして、インドネシア向け通販ができることがお分かりいただけたでしょうか。
そして、人の手を借りずに通販サイトの発信者になるためには、そのための勉強は欠かせないというお話でした。
これを読む方のなかには、起業を考えている20歳代や30歳代のデジタルネイティブの方もいらっしゃると思います。
そのようなお若い方が通販用の情報発信をすることは、私や水野様の世代よりも、もっと簡単なことだと思います。
インドネシア向けの事業を考えている方には、通販も選択肢のひとつになるのではないでしょうか。
ご参考になれば幸いです。
サイトでは公表できないこともありますので、もっと詳しく知りたい方は、清水までお気軽にお問い合わせください。