【インドネシア】一時滞在許可⇒定住許可、正規料金は5万円以下
55歳以上裕福層は移住可能? インドネシア「リタイアメント」ビザという記事をご覧になった読者のS様から、次のようなご質問をいただきました。
「一時滞在許可(KITAS)から定住許可(KITAP)への変更手続きの費用を大体でいいのでお聞きしたいです。入管の担当者により、金額が違うと聞きました。配偶者が聞いた時は20,000,000ルピアと言われました。近所の外国人は7,500,000ルピアでした。インターネットで調べたら、33,000,000ルピア要求された例もあるみたいです。電子版定住許可(E-KITAP)の手数料は3,700,000ルピア、再入国許可は1,750,000ルピアとなっているようです。その他、お礼に500,000ルピアほど必要なのでしょうか。」
S様、ご質問いただき、ありがとうございます!
調べてみたところ、最も信ぴょう性のあるインドネシア共和国法務人権省 西ジャワ地方事務所 ボゴール第1クラス入国管理局のサイトと、ブロガーさんの記事を見つけました。
ふたつのサイトをもとに、私の見聞もおりまぜながら、以下、ご説明していきますね。
一時滞在許可から定住許可への変更の意味
一時滞在許可証(KITAS:Kartu Izin Tinggal Terbatas)は、インドネシアへ滞在しはじめると最初にあてがわれる滞在許可証です。
有効期間が6か月、1年、2年のものがあります。
定住許可証(KITAP:Kartu Izin Tinggal Tetap)は、一時滞在許可証を何度か更新した人が得ることのできる滞在許可証です。
有効期間が5年のものと、無期限のものがあります。
定住許可証(KITAP)のことを「永住権」と思われている方がおられるようです。
「永住権=在留期間を制限されることなく滞在できる権利」であるとすれば、定住許可証(KITAP)にそのような「権利」は付いていません。
定住許可証(KITAP)はあくまで、「定住できる許可」であり、手続きなども基本的には、一時滞在許可証のKITASと変わりありません。
一時滞在許可証(KITAS)と定住許可証(KITAP)の大きな差は、有効期限であると言ってもいいと思います。
筆者は無期限の定住許可証(KITAP)を取得していますが、今後も定期的な報告が義務付けられるということです。
ただ、どのような報告が義務付けられるのか、2018年現在においてはまだ分からないということです。
自宅に検査にやって来た入国管理局の人が、そのように言っていました。
一時滞在許可(KITAS)から定住許可(KITAP)へ変更したからといって、延長手続きの頻度が減ることの他に、大きなメリットはないかもしれません。
正規料金の内訳
この画像は、ボゴール入国管理局のサイトにある料金表です。
一時滞在許可証(KITAS)から定住許可証(KITAP)へ変更する時は、自動的に有効期限が5年間のものになります。
料金表の「3 IZIN TINGGAL TETAP」のところ、「a. Izin Tinggal Tetap Elektronik (e-KITAP) 5 Tahun
3.700.000」に書いている通り、定住許可証(KITAP)の料金は3,700,000ルピアです。
e-KITAPは電子版KITAPという意味ですが、現在は電子版しかありませんので気にしなくて大丈夫です。
続いて、料金表の「4 IZIN MASUK KEMBALI (Re-entry Permit)」のところ、「a. MREP 2 Tahun 1.750.000」とあります。
この再入国許可は同時に取得しなくてはなりません。
2年間有効の再入国許可は、1,750,000ルピアです。
5年間有効の定住許可証(KITAP)を申請する人は、2年間の再入国許可を申請しなければならないようです。
2年間の再入国許可が切れてしまったあとは、再入国許可なしで放置してよいという意味なのかもしれません。
仮に定住許可証(KITAP)が有効な5年間において、再入国許可を切らさないように更新していくと、再入国許可は2年+2年+1年という塩梅になるので、最後は1年間有効の再入国許可を申請することになるのかもしれません。
このあたりの再入国許可については、よく分かりません。
筆者の場合は、1回の再入国に限り有効な再入国許可が存在していた時代が長かったのと、今になっては、無期限の定住許可証(KITAP)を取得したので、再入国許可も自動的に無期限のものとなっています。
次に、 「5 AFFIDAVIT」のところ、「b. Jasa Pengguna Teknologi Sistem Informasi Manajemen Keimigrasian
55.000」にある通り、入国管理情報システム利用料55,000ルピアが必要です。
しかし、なぜ関係のない「AFFIDAVIT(二重国籍の子供に適用)」の項目に入っているのか疑問です。
料金の合計
一時滞在許可証(KITAS)から定住許可証(KITAP)へ変更する際の費用は以下のようになります。
- 定住許可証(KITAP) 3,700,000ルピア
- 2年間有効の再入国許可 1,750,000ルピア
- 入国管理情報システム利用料 55,000ルピア
合計 5,505,000ルピア(1円=125ルピアとすれば、44,040円)なので5万円以下ですね。
ご質問されたS様が言われていた、定住許可証(KITAP)3,700,000ルピアと2年間有効の再入国許可1,750,000ルピアというところはその通りでしたね。
さいごに
住所がジャカルタである筆者の場合は、業者さんに頼まず、常に自分で手続きをしています。
最寄りの入国管理局⇒最寄りの地域事務所⇒ジャカルタ、クニンガンにある法務人権省本部⇒最寄りの地域事務所⇒最寄りの入国管理局 という流れで書類の持ち回りをします。
最低でも現在、お持ちの滞在許可の有効期限が終了する2か月前には、手続きを始めることをお勧めします。
地方にお住いの方は、ご自分で手続きをするのは現実的ではありませんが、時間に余裕のある人は自分でジャカルタまで来られて、手続きをされている方もいます。
筆者はジョグジャカルタからジャカルタへ手続きをしに来ていた学生さんに出会ったことがあります。
ただし、ジャカルタの法務人権省での手続きは、書類を置いてから、書類ができてくるまで、1週間以上待つ必要があります。
手続き全体にかかる期間としては、何も障害がなければ1か月ぐらいで済むかもしれません。
しかし、書類の不備など何があるか分かりませんので、時間的に十分な余裕を持つことが最重要です。
出国する予定、国内の別の地方へ行く予定、出産の予定など、何らかの障害があることが、あらかじめ分かる場合は、それを理由に、もっと早く手続きを開始することもできます。