55歳以上裕福層は移住可能? インドネシア「リタイアメント」ビザ

老後は海外へ移住したいと考えている方もいらっしゃると思います。

しかし、その選択肢にインドネシアが取り上げられることは少ないです。

それは「暮らしやすさ」の面でインドネシアに問題があるというよりは、法律的に難しいからのようです。

在ウクライナ、インドネシア大使館のページ(インドネシア語)に、インドネシアの高齢者ビザの条件が載っていましたので、私の意見もおりまぜながら、以下、ご紹介していきますね。

リタイアメントビザの条件

「多様性の中の統一」スローガンをつかむ神鳥ガルーダ

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各国の高齢な観光者のための暫定滞在ビザ申請「Permohonan Visa Tinggal Terbatas Untuk Wisatawan Lanjut Usia Mancanegara」は319ビザ(Visa 319)とも言い、55歳以上が対象となっています。

条件として、筆頭にあげられるものは、有効期間が最低19か月のパスポートです。

その他、次のものが必要です。

  1. ビザ申請書(書式用紙を裏表印刷し、記入、署名する)
  2. 証明写真1枚(最新のもの、カラー、3×4cm、ビザ申請書に貼る)
  3. インドネシア共和国入国管理総局長の同意書写し(テレックスされたもの)
  4. チケット予約書(飛行機、船舶、フェリーなど)
  5. 1か月あたり1,500米ドル以上あることを証明する、出身国またはインドネシアの銀行・年金を扱う機関による書類(インドネシア滞在中の生活費があることを証明するため)
  6. 直近3か月間の取引明細を表す、銀行口座明細書の原本
  7. 保証人レターと保証人の住民登録証(KTP)
  8. 旅行会社の会社事業許可書(SIUP)と税金義務基本番号(NPWP)
  9. 申請人の履歴書、職務・教育経歴書
  10. 出身国とインドネシアにおける健康保険、死亡保険、および第三者に対する資金面での法的責任にかかわる保険
  11. 最低2名のインドネシア国籍者を雇用する宣誓書
  12. インドネシア滞在中の住居について次の事項が分かるもの
  • 最低35,000米ドルの居住施設の購入、または、次の条件を満たす借家
  • ジャカルタ首都特別州、バンドン、バリ特別州においては、最低500ドル/月
  • ジャワ島、バタム、メダンの他地域においては、最低300米ドル/月
  • 上記以外の他地域においては、最低200米ドル/月

実現しやすさについて

条件のうち、最も重要なのが資金面だと思います。

  1. 毎月最低1,500米ドル以上 ⇒ 1ドル=113円とすると169,500円です。この額の収入という意味なのか、貯蓄でいいのかは不明です。中には年金で十分な人もいらっしゃるかもしれませんね。年金などがなければ、働くことを余技され、リタイアメントできないかもしれません。
  2. 最低35,000米ドルの居住施設の購入 ⇒ 2018年現在、不動産の購入は外国籍者の場合、マンションなどに限定されるようです。1ドル=113円で計算すると395万5千円になります。何とかいけそうな数字でしょうか? 普通の集落の家でしたら、ありえる額であるものの、外国籍者は購入できないはずです。マンションはもっと高額なので現実的ではありません。
  3. または、次の借家
  • ジャカルタ首都特別州、バンドン、バリ特別州においては、最低500ドル/月
  • ジャワ島、バタム、メダンの他地域においては、最低300米ドル/月
  • 上記以外の他地域においては、最低200米ドル/月

⇒ 最も高いジャカルタ、バンドン、バリで1か月の家賃が56,500円相当です。

住宅は購入するより、賃貸したほうが現実的ですね。

この他、最低2人のインドネシア人を雇用しなければなりません。

移住する本人がリタイアして、働いておらず、事業主でもなければ、何のために雇用するのかとなりますね。

お手伝いさん、運転手さんの雇用が該当するのかもしれません。

お手伝いさんも運転手さんも毎月約2~3万円はかかると思います。

あなたの場合、インドネシアでのリタイアは実現できそうでしょうか?

インドネシアでは55歳はシルバー

いつまでも若々しくいたいものですが、歳はとりますよね。

いつまでも若々しくいたいものですが、歳はとりますよね。

リタイアメントビザの条件である55歳という年齢は、私たちからすると、まだまだ働き盛りではないでしょうか。

実際、インドネシアの人々を見ていると、失礼ながら、年齢の割に老けているなあと思ったり、老け方が早いなあと思うことがよくあります(自分もそう思われているかもしれませんが、笑)。

インドネシアでは50歳にもなると、世代交代のことを考えなければならない印象です。

日本では終活などが流行っているようですが、インドネシアの人は比較的若い時から、老後のことをイメージしているような気がします。

以前、私の日本語の生徒さんだった3人(1人は既婚40歳台男性、2人は独身20歳代女性)にどんな経緯だったか「(やがて歳をとったりして)死ぬのは怖いですか?」と聞いたことがあります。

多分、日本語の練習をしていた時でした。

3人とも涼しい顔をして「怖くないです」と答え、私が驚いていると、逆に不思議がられました。

「だって、普通ですよ、先生。怖くないです。」との答え。

「まあ、地獄にいくとしたら、怖いかもしれないけど」と男性の生徒さんが、しょうがないから同調しておこうといった口調で答えてくれました。

同じようにインドネシアの人たちは、歳をとることについても、とても自然に受け入れているなあと日々、感じます。

自分の祖父母や年老いたご両親に対しても、とてもやさしく接していますし、亡くなるときも傍らで見守るのが普通です。

さいごに

いかがだったでしょうか。

補足ですが、リタイアメントビザの条件の第3番にある、インドネシア共和国入国管理総局長の同意書写し(テレックスされたもの)の箇所についてです。

これは、インドネシア国内の入国管理局で事前に手続きをしておく必要があります。

結局は普通の旅行者として先に入国して自分で手続きをするか、インドネシア人の保証人が手続きを行います。

インドネシア国内の入管が海外のインドネシア大使館へテレックスを送ってくれますので、その大使館においてビザが発給されるという仕組みになると思います。

配偶者ビザの手続きもその辺りは同じなので、ご参照ください。

 

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